フローライン

海底から生産される油層流体をFPSO上の生産設備に受け入れたり、 FPSO上の生産設備で分離されたガスや水を海底に再注入するために使われるパイプを「ライザー(Riser)」と呼び、ライザーのように海底とFPSOをつなぐパイプ等を総称して「フローライン(Flowline)」と呼びます。

FPSOには、プラットフォーム上に設置された坑口装置(水道の蛇口のような機能)から油層流体を受け入れる場合と、海底にある坑口装置から直接油層流体を受け入れる場合があります。

固定式プラットフォーム(写真右奥)から油層流体を受け入れるFPSO(ベトナム沖)
海底坑口装置から油層流体を受け入れるFPSOの海底の様子

プラットフォーム(固定式プラットフォームまたはTLPのような浮体式設備)上に設置された坑口装置からFPSOに油層流体を受け入れる場合、油層流体は海底パイプライン、パイプラインとライザーを接続するPLEM(Pipe Line End Manifold)、フレキシブル・ライザー(Flexible Riser)を介してFPSOへ流れます。

フレキシブル・ライザーは海底からFPSOまで油層流体を輸送するための鋼製のパイプで、波、風、潮流の力を受けて運動するFPSOの運動を許容するためにたわみやすい構造になっています。

海底にある坑口装置からフレキシブル・ライザーを介して油層流体を直接FPSOに受け入れる場合は、アンビリカル(Umbilical)と呼ばれる海底坑口装置を制御するための電力・油圧・信号ケーブルからなる複合ケーブルも装備されます。

海中でのフレキシブル・ライザーの様子

波、風、潮流の力を受けて運動するFPSOの運動を許容するため、中央に浮きをつけてたわみやすい形状にしています。

海中での係留索、ライザー等の配置の様子

手前に伸びる色とりどりのラインは、ライザーやアンビリカルです。

沖合で使用される前のライザー
ライザーとアンビリカル

中央の黒いラインがライザー、 黄色いラインがアンビリカル、
左右斜めに伸びるチェーンが係留索(Mooring Line)です。