船体

FPSOの船体(Hull)は、新造する場合(New-Build)と、中古タンカーを改造する場合(Conversion)があります。開発を終えたFPSOは、他の油田へ移設して再利用することもでき、その場合は新しい油田への条件に合うよう再改造(Modification)されます。いずれの場合も、海象条件、設置条件、生産量、生産期間などに応じて設計、建造される、その油田開発のためだけにオーダーメイドされる世界でひとつしかない設備となります。

新造

海底油田やガス田は、その地域によって、石油・天然ガスの性状、水深から波、風、潮流などの海象条件が全て異なり、FPSOにはそれぞれの条件に合わせた仕様が必要とされる他、顧客である石油会社の定める仕様要求も多種多様となります。当社は、各FPSOのオペレーション開始から終了までの20年超の長期間に亘り当社が顧客を含むステークホルダーに提供するライフサイクルバリューの最大化という最重要目標を具現化することを目的に、FPSO業界におけるリーディングカンパニーとして培った設計・建造技術及び豊富なオペレーション&メンテナンス提供実績を活用した次世代FPSO用新造船体2種を開発し、進行中プロジェクトに導入しています。

改造

1985年、第1基目となるFPSOの建造(改造)工事を実施して以来、当社は石油タンカーのFPSO/FSOへの改造工事を多数手がけてきました。世界各地の主要な造船所と強力なリレーションシップを構築し、1986年に生産を開始したFPSO Kakap Natunaを始めとする多くの当社建造FPSOが現在も生産活動を行っています。

係留設備、生産設備を搭載する前のFPSOの船体
左の写真の船体に係留設備、生産設備を搭載したFPSO