独自コンセプトFSRWP®の優位性

当社が設計・建造ならびにその後のオペレーション&メンテナンスを手掛けるFPSOなどの浮体式海洋石油・ガス生産設備では、原油とともに揚がる随伴ガスを利用して船上での原油精製設備などのために発電を行っているほか、設備の冷却用、清掃用の水ならびに居住区での生活用水確保のために淡水化による造水も実施しています。一般的なFPSOは、1基当たり100-125 MWの発電能力ならびに日量30,000-35,000m3の造水能力を備えており、現在当社で所有しオペレーション&メンテナンス中の全設備の合計能力は、発電1,500 MW、造水日量328,000m3にのぼります。

1. 設置海域の選択肢を大きく広げる係留技術

当社の米国子会社SOFEC, Inc.社の係留システム技術を用いることで、Jetty Mooring(ジェティー・ムアリング)およびDolphin Mooring(ドルフィン・ムアリング)等といった沿岸部での係留方式のみでなく、陸から離れた沖合での係留も可能にするなど、プロジェクト毎に異なる諸条件に合わせ、最適な設置場所を提案することができます。

Jetty MooringDolphin Mooringは、防波堤建設等、費用の掛かる土木工事を要すると共に、一般的に、海気象条件が厳しい環境下での採用が難しいという特性を持ちます。一方で、Turret(タレット)Tower Yoke(タワーヨーク)などの係留方式を用いて陸から離れた沖合に施設を設置すれば、陸岸部での土木工事が不要となり、更には厳しい海気象条件下でも、高い稼働率での運用が可能になります。

Tower Yoke
External Turret

2. 設計・建造に留まらず設備の所有および操業までの一連のサービスを提供

当社のFSRWP®以外にも他社によるLNGを燃料とする同様の発電・造水設備コンセプトは、存在します。但し、他社の場合、基本的に設備の設計・建造を請け負うに留まる一方、当社の場合、FPSO/FSOで経験を蓄積した事業スキームを適用し、設備を自ら所有し操業まで行うことで一連のサービスを一括して提供することが可能です。

3. FPSO/FSOでの沖合操業経験に裏付けされた信頼性のある技術およびサービスを提供

FSRWP®は、FPSO/FSOで実証済みのガス発電技術および海水淡水化技術で構成されます。常に揺動する環境下で長期間にわたり操業し続けるFPSO/FSOは、その条件に対して最適化された発電設備および造水設備を搭載しており、当社は数多くのプロジェクトにおいて膨大な発電・淡水化ノウハウを蓄積しています。当社は、他社が持たない確固たる実績に裏付けされた信頼性の高い技術およびサービスの提供が可能です。

4. 低コスト・短納期を可能にする中古船改造ノウハウ

FSRWP®の設計・建造は、近年市場に増加傾向にある中古のLNG運搬船の改造を基本にし、遂行されます。当社は1985年のFPSO初プロジェクト以来、多種多様な仕様のFPSO/FSOを中古オイルタンカーの改造ベースで設計・建造しており、プロジェクトマネジメントにおける様々なノウハウとデータを蓄積すると共に、船舶改造の経験が豊富な世界各地の優秀な造船所との関係を深めてきました。FPSO/FSOで培った当社独自のノウハウが、FSRWP®の低コスト・短納期達成を可能にします。

独自コンセプトFSRWP®の開発には、浮体式海洋石油・ガス生産設備の設計技術ならびにそれらのオペレーション&メンテナンスで培った実証済み技術が活かされています。

  • 「FSRWP」「FSR-Power」「FSR-Water」は、三井海洋開発株式会社(MODEC, Inc.)の登録商標です。