システム工学は考え方そのものがプロジェクトマネジメントに非常に有用だと感じています。

エンジニア(ムアリング)

2015年4月入社
新卒採用
東京大学大学院 工学系研究科 システム創成学専攻
技術部

これまでのキャリア

2015.04 - 2019.04 技術部
  • FSO Mooring System(Bearing)Rectification
  • 出張先:ブラジル、米国、シンガポール、中国
2019.04 - 2020.03 シンガポール駐在
  • アセット・マネジメント・コーディネーター
  • 新規FPSO Pre-Operation
  • 出張先:米国、中国
2020.03 - 現在 技術部
  • プロジェクト・マネージャー
  • FSO Riser Temporary Repair Project
  • 出張先:ベトナム
2022.04 - 現在 技術部
  • 係留グループファンクションマネジャー

MODECを選んだ理由 オーナーシップを求められて

研究室のOBの縁で、たまたまMODECの存在を知りました。懇親会(タダ飯)の前座、くらいの軽い気持ちで参加した会社説明会にて事業の規模や複雑さにも興味を持ちましたが、それよりも、新入社員に求めるものは「オーナーシップ」ただ一点、という心意気・潔さに惹かれました。「組織のことを自分事として考えることができる構成員の多寡が、組織の成果を決める」という価値観をチームスポーツを通じて醸成させていた私に、このオーナーシップ要求がぶっ刺さった瞬間でした。

懇親会でも、自分の仕事について、包み隠さず、飾らず、それでいて活き活きと語る多くの社員の姿を目の当たりにしたことも手伝って、未知の企業だったMODECが1日にして第一志望群に躍り出たことを覚えています。 就職活動が本格化した頃には、「世界を舞台に、大きな仕事の中核となって働く」という憧れをもって、MODECか商社を志望していましたが、最終的には、「折角理系の大学院を出たのに、エンジニアとして面白い仕事をする権利を捨てるのは勿体無い」という先輩社員の声に後押しされ、MODECへの入社を決めました。

大学では材料工学、大学院ではシステム工学という異なる専攻を広く(浅く)学んでいました。FPSOという実体のあるモノを扱う以上材料に関する知識が有用ですし、「モノ」や「コト」をその構成要素間の繋がりの観点で分析・最適化しようとするシステム工学は考え方そのものがプロジェクトマネジメントに非常に有用だと感じています。

私の仕事 DX・GX・EXで描く未来

現在は東京の技術部に所属し、ファンクションマネジャー兼R&D(研究開発)プログラムマネジャーとして、少し先を見据えた仕事をしています。

前者は7名のチームのマネジャーとして業務管理を行う傍ら、部下のモチベーション向上や成長につなげるべく、自分の手の届く範囲でEX(従業員体験)の向上を志向・思考・試行する日々です。偶々会社の人事制度改革タスクフォースにも参加しており、未経験の分野ながらバリューを出そう、EX向上に貢献しよう、と食らいついています。

後者については、技術部として、より安全かつ安定的なFPSO操業に貢献すべく、新技術を導入するための検討や実証を行うプロジェクトを同時並行でいくつも走らせている中、私はそれらのプロジェクト群(プログラム)の進捗・予算管理、及びプロジェクト間で利害の衝突がないか、シナジーが生み出せないか、といった調整を行っています。プロジェクトのうちいくつかはメンバーとして参加したり、実際にそのプロジェクトの担当者として業務を行ったりすることもあります。 ドローンを用いた無人検査や、後付けセンサーを搭載して機器の故障予測を行う、といった数々の取り組みが行われており、一部業務ではシンガポールのDigital & Analyticsチームとも連携しています。

最近は安全・安定的な操業だけでなく環境配慮の側面も意識されています。R&Dプログラムの一環としてFPSOからの温室効果ガスの定量化・削減に向けたプロジェクトも走っており、石油産業という古い業界にいながらも、DXやGXといった流行りの分野の仕事を行うことができる点もMODECの魅力かもしれません。

一方で、どちらの仕事も、長期スパンの仕事であり、すぐには結果が出るものではない、かつゴールがはっきりと定まっているわけではない、という点において、一つのFPSOの補修や新造のプロジェクト、という入社して以来私が一貫して関わってきた世界とは異なり、なかなか根気のいる仕事だとも感じています。

東京オフィスにて

心に残る経験 一日2,000万円の男

もう何年も経っているのに、過去のプロジェクトをキャリアハイとして持ち出すことに忸怩たる思いはあるものの、2015年~2018年にかけて携わったプロジェクトが最も印象的と言えるので、いくつかエピソードを紹介しようと思います。

1.「君の作業が1日遅れると、2000万円の費用増なので」

入社1年目の秋、FSO補修プロジェクトに配属された私に当時のPM(プロジェクトマネジャー)は笑いながら言い放ちました。故障したFSOはサポートのための作業船を接続してやっと操業を継続できる状態であり、その傭船料は一日およそ20万ドル。FSOが作業船無しでも操業できる状態にするための仮補修工事、その設計・解析を行うサポートメンバーとしてプロジェクトに声がかかった私の担当する作業が、プロジェクトのクリティカルパス*に乗っていました。
あまりの莫大な金額、そのプレッシャーに当時は押し潰されそうにもなりましたが、いい意味で頭のネジを飛ばして、仕事の規模感・オイル&ガス業界の金銭感覚に慣れることができた経験でした。

*クリティカルパス:プロジェクトにおいて、そのタスクの遅延がプロジェクト全体の遅延に直結する状態になっていること。

2.「明日から、PMのやっていた仕事を引き継いでもらうから」

私がプロジェクトで働くようになって1年半程が経ったころ、突如PMがプロジェクトを外れることになりました。補修工事の設計・資材調達・施工計画を行うメインコントラクターであった子会社SOFECとの調整業務はPMが行っていましたが、手薄だったプロジェクトの人繰りの関係もあり、技術面での調整業務は新任PMではなく私が引き継ぐこととなりました。

それまでもSOFECとの会議には参加していたものの、議論をリードするPMの陰に隠れ、人並み程度の英語力しか持たずに時折コメントするくらい、という状況であった私の、担当者としての初陣は惨憺たるものでした。前任のPMがやっていたように自分が議論をリードしていかないといけないはずなのに、拙い英語、浅い技術的理解のせいで、明らかに私が議論の邪魔になっている。会議に参加している皆に気を遣わせてしまっている、と悔しい思いをしたことが忘れられません。

時を同じくして、補修工事の実行計画に大きな問題が見つかり、大幅な見直しを迫られました。その状況のお陰で、私はSOFECと対面で仕事をするためにヒューストンに張り付くこととなり、ネイティブ話者の技術エキスパートに囲まれて、英語力と技術的理解を向上させるチャンスを得ました。 昼間は実行計画を見直す業務の傍らでひたすら技術資料を読み込んで、わからないことは質問し尽くす。業務時間外は朝から晩まで発音練習を繰り返したり、新しく獲得した単語や表現を定着させようと学習したりと、ヒューストンで過ごした半年は人生で一番努力し、また大きく成長することができた日々でした。

頑張った甲斐もあり、補修工事の修正実行計画の立案・準備を期限内に終わらせることができました、さらには補修工事をサポートする作業船団の組成や、顧客への実行計画の説明と言った業務にも手を広げることとなり、まさに「世界を舞台に、大きな仕事の中核となって働く」という夢が叶った瞬間でした。自分が主人公となって、大きな規模の仕事をドライブするこの感覚は、皆さんも一度味わったが最後、きっと病みつきになることでしょう。

ベトナム沖のプロジェクトでの空撮写真
洋上で見る夕日は格別です

目標 人間力を磨く

「人が、人と共に、人のために、何かを為す」という社会の根本が変わらない限り、人間味・人間としての魅力といったものは、このVUCAな時代においてさえ、50年後も100年後も、「いい仕事」の源泉として色褪せることはないと信じています。モチベーションを左右するのは往々にして人ですし、どんな仕事でも一人で仕事を完結できることは稀でしょう。MODECでは、(ほぼ)単一製品・サービスの事業であるにもかかわらず、ビジネス形態やFPSO自体がとても複雑なため、一人ですべてを掌握するのは何年かかっても無理なのではと思うことさえあり、殊更チームで仕事をすることの大切さが身に沁みます。

私自身の人間としての魅力を高めたい、願わくば多種多様な文化を持つ人々から受け入れられたい、というありたい姿を実現することは並大抵のことではないとはわかっていますが、誠実な仕事や自己の研鑽、異文化への理解を通じて、世界中に、私のために一肌脱いでやろうというサポーターを、そして私がその人のために助力を惜しまない、と心から思えるような繋がりを数多く作っていきたいと考えています。

就活中のみなさんへ

求めよ、さらば与えられん

身も蓋もない言い方ですが、MODECの一員となる「だけ」で得られるものはそう多くはないでしょう。長期間の研修プログラムがあるわけでもなく、OJTで海外のタフな現場に行くチャンスが誰しもに与えられるわけでもありません。

一方で、自ら積極的に声を上げることは歓迎・支援される風土があり、やりたい職務についたり、成し遂げたい成果を実現したりと、自身のキャリアのために会社を有効活用している社員も多くいます。与えられるのを待つのではなく、自ら獲りに行くマインドを持っている方が、MODECを就職先・転職先企業の候補に加えていただければ幸いです。