最大のミッションは、多数の死者が出る、または大量の原油が海に流出してしまう、といった重大事故を絶対に起こさせないことです。
エンジニア(プロセスセーフティ)
2015年4月入社
新卒採用
東京大学大学院 工学系研究科 化学システム工学専攻
ブラジル駐在
これまでのキャリア
2015.04 - 2017.12 | 技術部 プロセスグループ
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2018.01 - 2022.04 | シンガポール駐在 プロセスセーフティ
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2022.04 - 2022.09 | 中国駐在 プロセスセーフティ
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2022.10 - 現在 | ブラジル駐在 プロセスセーフティ
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MODECを選んだ理由 MODECとともに成長を
大学ではざっくりとした括りでいうところのメタンハイドレートの基礎研究を、大学院では一転iPS細胞の応用研究という、ほぼ真逆の研究に情熱を注ぎました。研究内容自体は仕事をする上でどちらも直接的に役立ったことは一度もないですし、船に関する知識も入社するまでは一般常識以上のものは持ち合わせていませんでした。
就職活動を始めた当初は業界を絞らず、様々な企業の説明会に足を運ぶようにしていたのですが、その中で偶然、今まで見たことも聞いたこともないMODECという会社に出会いました。プラントエンジニアリング業界自体にはもともと興味があった私にとって、FPSOというプラントのかっこよさ、スケールの大きさに一瞬で魅せられ、また、説明会や座談会でお会いしたエンジニアの方々の自信に満ちあふれた雰囲気にも魅かれていきました。
他社と比較する中でMODECを選んだ最終的な決め手となったのは、MODECもこの業界もまだまだ未成熟であるという点でした。ここでなら、自身の成長とともにMODECの成長をダイナミックに感じることができ、今後さらに大きくなっていくであろうMODECの成長期に私が立ち合い、貢献できる、と考えたときに得られたわくわく感に導かれて、入社を決めました。
私の仕事 重大事故と向き合う覚悟はあるか
FPSOという設備は石油や高圧ガスといった危険物の取り扱いが必然的であり、重大事故が起こりうるリスクは避けられません。もしこれら事故が現実に起きてしまった場合、多大な被害が出て、一瞬で会社がビジネスを持続できなくなる事態につながってしまいます。
私は現在、プロセスセーフティーエンジニアとしてFPSOの設計に携わっています。私たちの最大のミッションは、多数の死者が出る、または大量の原油が海に流出してしまう、といった重大事故を絶対に起こさせないことです。
現在MODECでは、設計、操業を含むすべてのフェーズにおいて、一貫した設計思想のもと、重大事故を防ぐため、全社をあげて取り組んでいます。将来、私がこの取り組みの中心を担い、先に掲げたミッションを常に達成し続けることができるよう、今は設計を通して日々新しいことを吸収しているところですが、操業時の小さな事故の報告を受けたり、他社で起きた重大事故のニュースを聞く度に、設計段階での見落としが重大事故につながってしまう可能性があることを身に沁みて感じ、重大事故と向き合う覚悟を新たにしています。
やりがい 建設現場にもプロセスセーフティーの文化を
プロセスセーフティーの所掌は、設計時のみならず、建造、試運転時にも及びます。特に、重大事故を防ぐために設定した防護壁(Safety Critical Element = SCEと呼びます)ひとつひとつが、現場で設計通りに据え付けられ、設計通りの思想で機能していることを確認することも、私たちの重要な仕事の一つです。
大前提として、私がこの原稿を書いている時点ではMODECの建設現場にプロセスセーフティーの文化はほとんど浸透しておらず、私たちが一体何をしている人なのか、ほとんどの人が知らないという状況です。そのため、各SCEの現場担当者を見つけたら、まず私は何者で、私たちのミッションは何なのか、というのを説明するところから始まり、その後、担当するSCEがどのように重大事故を防ぐ役割を果たしているのか、現場で何を確認すればその機能を保証することができるのかを、一人ひとりとしっかり時間をかけて議論する必要がありました。現場写真や試運転の結果など、その機能を保証する証拠を現場担当者に集めてもらうことになるのですが、とりあえず仕事を片付けてしまいさえすればいいや、といった受け身の姿勢で臨まれると、現場で実際に起きている問題に気づけなかったり、気づいたとしても修正が大変で面倒くさいからといった理由で見て見ぬふりしたり、ということが起こりうるので、仕事を始めてもらう前の一対一の話し合いでこの仕事の重要性を認識してもらうことが何よりも大事だと考えています。
そしてこのような仕事の進め方をするようになった背景には、私がかかわったFPSOでは重大事故を絶対に起こさせない、という信念と、建設現場でこうして私がまいた種が、少しずつ文化として今後のプロジェクトにも広がり根付いていくことで、結果MODEC全体として重大事故を防ぐことに貢献してくれるはずである、という期待があります。ですので、各SCEの現場担当者が問題を見つけて報告に来てくれたり、現場でこんな発見があったんだけど、これって大丈夫?などと質問に来てくれると、本来は問題が起きているから喜ぶべき状況ではないのかもしれませんが、一方で少しずつとはいえプロセスセーフティーの文化が建設現場にも浸透し始めていると感じられる瞬間として、こんなにうれしいことはありません。
目標 人間的にも技術的にも信頼されるエンジニアになりたい
過去のプロジェクトでコミュニケーション不足からくる非常に苦い経験をしたことがあります。それもあり、どの仕事も究極的には人間と人間の付き合いなのだと思うようになりました。
特にプロセスセーフティーという仕事柄、他のグループと協力することなく仕事を進めることは不可能であり、その中で、彼らにいろいろお願いしてやってもらわなければならないことも出てきます。その際に、普段から人の言うことも聞かず一方的に主張を押しつけてきたり、自分を守るために他人を落とすような発言をする、といった、誠実性に欠ける信頼のおけない人間の言うことを快く受け入れることはできるでしょうか。その点で、まずは一人の人間として信頼を得られるような言動をとることを常日頃から心がけ、全員に対してまずはリスペクトの気持ちを持って誠実に接するようにしています。ただ、心に余裕がないときには好ましくない行動をとってしまうこともまだあり、後から振り返ってはよく反省しています。
一方、技術面での信頼も等しく重要だと考えます。例えば設計に安全上の欠陥を見つけた際、そのエンジニアに何が問題なのかを理解してもらい、設計変更をお願いする必要があるのですが、彼らはプライドを持って設計している、かつ、設計変更により仕事が追加で増えてしまうため、ディフェンシブな態度で議論に臨んでくるエンジニアも少なくありません。そのため、システムの設計背景をよく知りもせずに議論に入ってしまうと、そのシステムのプロフェッショナルである彼らには、私があまり理解してないということがすぐにわかってしまい、それを繰り返しているうちに、エンジニアとしての技術力に対する信頼を失ってしまいます。
失ってしまった信頼を取り戻すには時間がかかるだけでなく、その間、仮に技術的には正しいことを言っていたとしてもなかなか理解を得られない、という不幸な状況になってしまいかねません。そうならないよう、議論の事前には準備と勉強を怠らず、設計背景を理解した上でどのように説明すれば納得してもらえるのか、ということを常に考えながら、議論に臨むようにしています。
また、誤字脱字を含めたケアレスミスを減らす、解釈の余地が入りえないような要点のはっきりしたメールやレポートを書く、といったことにも日々気を付けています。ミスを多発する人や、細かい部分まで気を回せない人が発する言葉に説得力はありませんし、そんな人に誰もFPSOの安全を任せたくはないでしょうから。
就活中のみなさんへ
特に就活序盤の頃は、自分の可能性を自分で狭めることのないよう、選り好みせずいろいろな業界、会社の説明会に参加してみることをおすすめします。私は様々な業界を見て比較していく中で、スケールの大きいかっこいいことがしたい、グローバルな環境で働きたい、といった、企業選びの上で譲れない、妥協できない軸に改めて気づくことができました。いろいろ見て、考えた上で得られた軸であれば、面接でもぶれることはなく、話す言葉にも説得力が出てくると思いますし、私にとってのMODECのように、掘り出し物の企業に出会える可能性も増えると思います。