プロジェクト

ペトロブラス社ブラジル沖合Marlim鉱区向けFPSO受注内定

三井海洋開発株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:香西勇治)は、ブラジル連邦共和国の国営石油会社であるPetróleo Brasileiro S.A. (以下「ペトロブラス社」、本社リオデジャネイロ市)より、FPSO (Floating Production, Storage & Offloading system:浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)1基の建造及びチャーター契約の発注内示書を受領しました。

本FPSOは、ペトロブラス社が保有しオペレーターを務めるCampos(カンポス)海盆内のMarlim(マルリン)鉱区の再活性化プロジェクトに用いられます。

日量8万バレルの原油生産能力、日量7.0百万立方メートルのガス生産能力、日量39万バレルの水圧入能力、100万バレルの原油貯蔵能力を持つ本FPSOは、当社米国子会社のSOFEC社が設計・建造するSpread Mooring(スプレッド・ムアリング:多点係留)と呼ばれる係留設備で、リオデジャネイロ州沖合約150km、水深約670mの海上に係留されます。本FPSOは、Marlim鉱区の再活性化プロジェクトに用いられる2基のFPSOの内の1基目であることから、石油・ガス業界で通称「Marlim 1 FPSO」と呼ばれています。

当社は、本FPSOの設計から機器購入、建造、据付までの一括工事を請け負います。また、本FPSOは、完成後に当社の関連会社が保有し、2022年からペトロブラス社に対する25年のチャーターサービス (リース及び運転・保守点検等のオペレーション)に供される予定です。

2003年に、当社のブラジル向けとして初のFPSOをCampos海盆内の鉱区において稼働開始させて以来、当社は本FPSOを含め計16基の浮体式生産設備を受注しており、ブラジルは当社にとって最も重要な市場のひとつです。特に、2006年にSantos(サントス)海盆内で発見され、その可採埋蔵量の多さから、同国のみならず石油・ガス業界全体から注目されるプレソルト層深海鉱区群では、2010年に当社設計・建造のFPSOが世界初の原油商業生産を達成して以来、当社は計8基のFPSOを受注するなど、圧倒的な実績を誇っています。プレソルト層深海鉱区群の発見以前にブラジル沖合での石油・ガス開発の中心となっていたCampos海盆内の鉱区では、現在、最新技術を投入しての再活性化プロジェクトが進行中であり、本FPSOは、その一環として発注されるものです。

当社は、プレソルト層深海鉱区群をはじめとする新規鉱区開発用FPSOと共に、今回のような既存鉱区再活性化プロジェクト用FPSOに対する需要も柔軟に取り込みながら、引き続きブラジルにおけるエネルギー産業の発展に寄与してまいります。