カナダCNR社向けBaobab油田用FPSO Project受注について
2003年07月22日
三井海洋開発株式会社(社長: 山田健司)は、この度カナダの大手石油会社Canadian Natural Resources(CNR)社(トロント証取:CNQ、ニューヨーク証取:CNQ)よりFPSO(Floating Production Storage & Offloading system:浮体式海洋石油生産・貯蔵・積出設備)1基の建造工事及びチャーターを受注しました。
CNR社は、本FPSOを同社が開発権利を持つ西アフリカ・コートジボアールのバオバブ(Baobab)海底油田の石油・ガス開発用に投入するものです。
本FPSOは既存のタンカー(ULCC、約36万トン)を改造し、デッキ上部に原油一次処理プラント、船首部にタレットと呼ばれる特殊係留装置を搭載するもので、シンガポールの造船所で建造工事を終えた後、西アフリカまで海上輸送(自航)され、現地到着後水深960mの地点に係留・設置されます。
今回受注したFPSOの仕様は以下のとおりです。
原油貯蔵能力 2,000,000バレル
原油処理能力 70,000バレル/日
ガス処理能力 75,000,000立方フィート/日
当社は本FPSOの設計、調達、建造、現地据付工事(予想工事金額約3百億円)を一括して責任施工し、さらに完工後は本FPSOを所有して、CNR社に対して10年間(さらに最長10年間の延長オプション付き)のFPSO設備の運転オペレーションおよび保守点検サービスの提供を行います。
本FPSOを利用したバオバブ油田からの石油・ガス生産の開始は2005年春を予定しています。
今回の受注はこれまでの豊富なFPSO建造及びオペレーション実績の中で培われた当社のプロジェクトマネジメント能力が、客先から高く評価されたことによります。
今回の受注で当社は同種FPSO/FSO工事の実績が合計17基となり、この内自社保有のFPSO/FSOとしては9基目となります。また西アフリカのプロジェクトとしては、ガボン向け及びカメルーン向けに続く3基目です。
本案件は当社東証への上場後初めてのFPSO受注ですが、今後、大水深化、大型化が予想される西アフリカ、ブラジル、メキシコ湾、東南アジア、オセアニアの海底石油・ガス資源開発プロジェクト受注に、当社は積極的に注力していきます。
尚、本受注は既に開示している当社本年度業績予想に折込済みであり、売上高、経常利益及び当期純利益等の予想に著しい変更を及ぼすものではありません。