CLJOC社向けベトナムSu Tu Den油田用FPSO稼動開始について
2003年10月31日
三井海洋開発株式会社(社長: 山田健司)は、この度、2002年3月より建造を行ってきましたベトナムCuu Long Joint Operating Co.(CLJOC)社向けFPSO(Floating Production, Storage & Offloading System:浮体式海洋石油生産・貯蔵・積出設備)の現地据付工事を完了し、契約上の予定より1週間早い10月29日より原油生産オペレーションを開始しました。
CLJOC社は、メジャー石油会社である米国ConocoPhillipsが主体となり、ベトナム国営石油会社であるPetro Vietnam、韓国石油公社であるKNOC他2社を合わせた石油開発会社5社にて構成されるコンソーシアムです。
本FPSOは、ベトナム南部ブンタウ(ホーチミン市南東の南シナ海に面したベトナム海底石油開発の中心基地)の東方海上150km、水深48mのSu Tu Den(ベトナム語で「黒獅子」の意味)Fieldから原油生産を行うものであり、モンスーン下での海気象に耐えられる設計となっています。全長261m、幅46mのFPSO上には日産65,000バレル仕様のプロセス・プラント(原油に含まれる水やガス等を除去し精油所で受入可能な原油に一次精製する装置)のほか、原油噴出を補助するガス圧入装置や原油埋蔵層への海水圧入装置等が搭載されています。生産された原油はFPSO内のタンク(百万バレルまでの貯油が可能)に貯蔵された後、洋上にて引取タンカーに積み込まれます。
本プロジェクトは、当社と三井物産株式会社が折半で設立したプロジェクト事業会社が本FPSOを保有し、原油生産・機器保守等のオペレーション・サービスを含めてCLJOC社にチャーターに出すものです。チャーター期間は当初5年ですが、さらに5年の延長オプションが付与されています。
又、本FPSOチャーター事業には国際協力銀行および市中銀行よりのプロジェクト・ファイナンスの供与を受けています。尚、国際協力銀行による浮体式海底石油生産設備を含めた海洋プロジェクトへのプロジェクト・ファイナンス適用は初めてのケースとなります。
当社は、本プロジェクトに引続き、現在、カナダCNR社Baobab Field(コートジボアール)向けFPSOおよびSantos社Mutineer/Exeter(オーストラリア)向けFPSOを建造中であり、いずれも2005年第1四半期より本プロジェクトと同様のチャーター・サービス開始を予定しています。