Marco Polo TLP原油生産を開始
2004年08月02日
三井海洋開発株式会社(社長: 山田健司)の米国子会社MODEC International L.L.C.(MILLC社)がメキシコ湾Marco Polo(マルコ・ポーロ)Field向けに建造したTLP(Tension Leg Platform:緊張係留式プラットフォーム)は、当鉱区の開発事業者である米国Anadarko社による現地据付の後、生産井の掘削や全体システムのコミッショニングを完了し、7月19日に原油生産を開始しました。
当鉱区は米国ルイジアナ沖のGreen Canyon Block 608Aに属し、本TLPの設置水深(1,311m)は、2004年7月現在設置されている17基のTLPの中では世界最深となります。
本TLPは2002年4月に米国El Paso Energy社の子会社から発注されたもので、MILLC社は設計、資材調達並びに建造工事を請け負いました。本TLPのプラットフォーム部分は韓国の三星重工業にて下請建造され、重量物運搬船でメキシコ湾まで運ばれました。
本TLPは、生産井6本の坑口装置および掘削装置(リグ)を搭載しており、自力での掘削や井戸改修が可能です。日産12万バーレルの原油と400百万立方フィートのガス生産能力を持つプロセス装置も設置されており、掘削から生産までをカバーできる自己完結型の浮体式海洋石油・ガス生産設備です。生産された原油やガスは、既存のパイプラインと接続した新設のパイプラインを経由して陸上まで送られます。
本TLPは8本のテンドンと呼ばれる直径70cmのパイプ構造の係留索により、海底に打設されたパイルと連結されています。テンドンにプラットフォーム本体の浮力によって生じた緊張力がかかることにより、TLPは安定した状態を確保することができ、ハリケーンにも耐える設計となっています。又、本TLP上にはプロセス設備や掘削装置等6,500トンの機器搭載が可能です。
当社グループは2001年7月にメキシコ湾ルイジアナ沖Prince(プリンス)Field向けTLP 1基を納入しており、本件は当社のTLPの第2基目となります。
石油・ガス供給の海洋への依存度の高まりに伴い、より深い海域での開発が促進されています。当社はこの需要に対応すべく、過去建造の2基のTLP建造実績に裏打ちされた技術力と信頼性をもって、従来のメキシコ湾のほか東南アジアや西アフリカ市場も視野に入れ、今後さらにTLPの受注拡大を目指していきます。