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ペトロブラス社ブラジル沖合プレソルト層Búzios鉱区向け「FPSO Almirante Barroso MV32」、チャーターサービスを開始

三井海洋開発株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:金森健、以下「当社」)が、ブラジル連邦共和国の国営石油会社Petróleo Brasileiro S.A.(以下「ペトロブラス社」、本社リオデジャネイロ市)より受注し、建造を行っていたFPSO(Floating Production, Storage & Offloading system:浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)である「FPSO Almirante Barroso MV32 (以下「本FPSO)」は、ブラジル沖合での原油・ガス生産を開始し、現地時間5月31日にチャーターサービス(リース及び運転・保守点検等のオペレーション)を開始しました。

本FPSOは、ペトロブラス社がオペレーターを務めるBúzios(ブジオス)鉱区(旧Libra鉱区)の開発プロジェクトに用いられます。Búzios鉱区は、リオデジャネイロ沖合約180kmのSantos(サントス)海盆内に位置する、海底下約5,000mのプレソルト層(岩塩層直下の層)にある海底油田の一部です。

当社がペトロブラス社の開発プロジェクト向けに提供する13基目の浮体式生産設備となる本FPSOは、日量15万バレルの原油生産能力、日量212百万立方フィートのガス生産能力、日量24万バレルの水圧入能力、140万バレルの原油貯蔵能力を持ち、ブラジルで稼働する生産設備の中でも最大規模を誇ります。また、当社米国子会社のSOFEC社が設計・建造するSpread Mooring(スプレッド・ムアリング:多点係留)と呼ばれる係留設備で、水深約1,900mの海上に係留されています。

当社は、本FPSOの設計から機器購入、建造、据付までの一括工事を請け負いました。今後は当社(35%)、三井物産株式会社(35%)、株式会社商船三井(20%)、及び丸紅株式会社(10%)がそれぞれ出資するBuzios5 MV32 B.V.が本FPSOを保有し、ペトロブラス社に対する21年間のチャーターサービスを提供します。新型コロナウィルスの世界的流行の影響下で建造工事が進められた本FPSOのチャーターサービス開始は、同じく年内の生産開始が見込まれるFPSO Anita Garibaldi MV33とともに、本年度以降の当社の収益基盤強化に大きく貢献することが期待されます。

現在、当社がオペレーション&メンテナンスを提供する浮体式生産設備は、世界7ヵ国で計20基となり、うち13基がブラジル向けです。海洋資源開発の舞台が超大水深域へと進む中、その莫大な可採埋蔵量から大きな注目を集めるプレソルト層深海鉱区群において、当社は本FPSOを含む8基のFPSOを操業しています。

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FPSO Almirante Barroso MV32

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