新造FPSOにおける環境負荷軽減認証(Abate Notation)を世界初の取得
2024年07月18日
三井海洋開発株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:宮田 裕彦、以下「当社」)は、現在建造中のブラジル沖合Bacalhau(バカリャウ)鉱区向けFPSO(Floating Production, Storage and Offloading system:浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)がノルウェーの船級協会DNVから「環境負荷軽減認証(Abate Notation)」のP+, F, Pr, Sに対するAiP(Approval in Principle:基本承認)を取得したことをお知らせします。本認証の取得は、新造FPSOとしては世界初となります。
今回の認証では、DNVのガイドライン※1に基づきFPSO Bacalhauの温室効果ガス(GHG)排出量削減に向けた包括的な評価が実施されました。「環境負荷軽減認証」のAiP取得に必要な以下の条件に対応した結果、FPSO Bacalhauは石油生産1バレルあたりの二酸化炭素排出量が業界で最も少ないFPSOとなりました。
- 厳格な排出管理システム(ISO 50001エネルギーマネジメント要件相当)
- 非緊急時のフレアリング防止
- 発電と熱生成の効率最適化
また、FPSO Bacalhauの発注元である北欧最大のエネルギー企業Equinor ASA(本社:ノルウェー・スタヴァンゲル)が、承認審査に協力し、先見性を持って多くの技術導入に積極的に取り組んだことも環境に配慮したFPSOの実現に寄与しています。
同認証は2024年5月30日に、シンガポールのDNVの地域オフショア委員会で、DNVより当社関係会社の幹部に授与されました。DNV地域オフショア委員会は、石油・ガス業界の経営者や役員が、共通の課題について戦略的な議論や知識の共有を行う重要なプラットフォームで、式典には石油大手企業やEPC(設計・調達・建設)コントラクター、船主などの関係者が多数出席しました。
DNVの環境負荷軽減認証(Abate Notation)取得は、当社の脱炭素化に向けた重要な第一歩です。当社はFPSOのEPCI(設計、調達、建造、設置)、サプライチェーン管理、そして最終的なオペレーションまでの全て段階において、さらなる技術革新によりエネルギーの安定供給と二酸化炭素排出量低減を両立し、環境負荷を低減した持続可能な社会の実現に貢献し続けることを目指します。
- ※1:DNVのガイドライン:DNV-RU-OU-0102
環境負荷軽減(Abate)の適格要件 (左:要求内容、右:認定要件)