東洋エンジニアリング、米国Velocys社と洋上GTLプラントの共同開発契約を締結
2007年11月13日
三井海洋開発株式会社(社長: 山田健司)、東洋エンジニアリング株式会社(社長:山田豊)、米国Velocys Inc.(President & CEO:Wayne Simmons、以下Velocys社)の3社は、この度洋上GTL(Gas-to-Liquid)※プラントの開発商用化のための共同開発協定を締結しました。
本共同開発は、マイクロチャンネルと呼ばれる技術を用いたGTLプラントをFPSO(Floating Production, Storage & Offloading System:浮体式海洋石油・ガス 生産・貯蔵・積出設備)上に搭載し、海洋ガス田開発に新たなソリューションを提供するものです。3社は石油随伴ガスや天然ガスを洋上で液化し、石油類似製品を経済的に生産することができるコンパクトな洋上GTLプラントの技術確立を2012年までに目指します。
東洋エンジニアリング株式会社は、石油精製や石油化学プラント建設分野で実績を有するエンジニアリング会社です。Velocys社は今回のGTLプラントに用いられるマイクロチャンネル技術における先駆的な存在で、この技術により、従来その大きさから難しいとされていたGTLプラントの浮体式設備への搭載が可能となります。両社が有する技術を当社の浮体式石油・ガス生産設備の技術と統合することで、ガス田開発用のFPSOの商品化の開発促進を図るとともに、新たな市場開拓を追及していくための戦略的アライアンスと位置づけられます。
現在、世界の市場への搬出手段がないために3,000兆立方フィート以上の天然ガスが未開発の状態にあります。これは石油類似製品に換算して3,500億バレル、米国の石油輸入量70年分に相当する量です。今回商業化を目指すGTLプラントは、これら未開発の天然ガスや、大気放出・燃焼処理されている石油随伴ガスを有効利用するものであり、地球温暖化ガスの排出削減による環境改善にも寄与します。
※GTL(Gas-to-Liquid)とは:
ガスを液化するシステムやコンセプトの総称。体積のかさむガスを輸送に適した液体に転換することがガス開発の要点となっており、各種のGTLシステムが開発されています。