表層型メタンハイドレート

表層型メタンハイドレート開発への取り組み

日本の排他的経済水域(EEZ)の海底には、表層型メタンハイドレート、砂層型メタンハイドレート、海底熱水鉱床、レアアース泥、コバルトリッチクラストなどが存在しており、純国産の海底資源として今後の開発が期待されています。

この中で、表層型メタンハイドレートは、低温・高圧環境の海底直下において、メタンガスと水が結晶化した氷状の固体で安定的に存在しています。その資源量の調査は、経済産業省が実施しており、日本周辺海域で表層型メタンハイドレートが存在するとみられるガスチムニー構造が1742カ所確認されました。2016年度に上越沖の海鷹マウント構造にメタンガス換算で6億m3が存在すると試算されています。

当社は、表層メタンハイドレート開発の商業化にむけて、浮体式海洋石油・ガス生産設備分野のリーディング・カンパニーとして培った浮体式設備の設計技術およびオペレーション&メンテナンス実績を、表層メタンハイドレート開発に応用するための研究・開発に取り組んでいます。

表層型メタンハイドレート回収システムの全体概要

大口径ドリルを用いた広範囲鉛直採掘方式

西アフリカ沖では水深最大200mの海底にあるダイヤモンド鉱床から25年以上に渡って商業的に鉱石が採掘・揚鉱されています。三井海洋開発では、この採掘・揚収技術を応用して、表層型メタンハイドレートの資源開発に活用しようとしています。
この広範囲鉛直採掘方式は、船上から吊り降ろした大口径ドリルで掘削する手法で、以下のメリットがあります。 

  • 複雑な海底地形や脆弱な海底地盤にも対応可能。
  • 掘削物と共に周辺海水を吸い込むため、高濁度水が発生しない。

船上分離方式

船上には海水、メタンハイドレート(MH)、泥、メタンガスが揚収されます。揚収したメタンハイドレートは密閉されたガス化タンク内で加熱することによって分解し、メタンガスのみをタンク外に取り出します。

その過程において、タンクに残った揚収物は、大気や表層海水と混合または接触させず、海底にあったままの状態で海底に戻すことで海底の環境変化を抑えます。すなわち揚収物が海底から海上を経て海中または海底へ戻るまでの間、完全にクローズドな状態でガス生産が行われます。

ガスリフト方式

表層型メタンハイドレートの揚収技術として採用するガスリフト方式は、ライザー管に圧縮されたガスを注入することで、海底から揚収物を船上に揚げる方式です。さらに、表層型MHを揚収する場合は、ライザー管の中でMHが分解・ガス化して自ずからガスリフト効果が生じますので、より効率的に揚収が行えます。また、海中に揚収機器を配置しないため、メンテナンス性は良く、故障時の対応も容易となります。