プロジェクト

三井海洋開発/東洋エンジニアリング 中小規模GTL実証試験につきペトロブラス社と協力

2010年03月04日

三井海洋開発株式会社
東洋エンジニアリング株式会社

三井海洋開発株式会社(会長:山田健司)は、2007年11月より東洋エンジニアリング株式会社(社長:山田豊)と共同で進めてきた中小規模GTL開発が実証段階を迎えたとして、このたびブラジルの国営石油開発会社であるペトロブラス社(Petrobras)と協力契約を締結し、実証設備の建設を開始しました。

米国Velocys Inc.(President & Managing Director:Tom Hickey)が基本特許を保有するマイクロチャンネル反応器を用いる新GTLプロセスの実証プラントは、ブラジル Ceara(セアラ)州Fortaleza(フォルタレザ)市にあるペトロブラス社の製油所内に2011年初めに建設完了し、完成後の実証運転により、その性能の確認、商業機設計の為のデータ採取を行い、2011年末の商業化完了を目指します。ペトロブラス社は、ブラジル国内における洋上原油生産に随伴するガスや、へき地にあるガス田の天然ガスをGTLにより液体転換することで、原油の増産を意図し今回の実証試験に協力します。なお、マイクロチャンネル反応器の製作には、株式会社神戸製鋼所(社長:佐藤廣士)の協力を得ています。

三井海洋開発株式会社は海洋石油・ガス田開発の国際的リーディングカンパニー、東洋エンジニアリング株式会社は、石油精製、石油化学プラント建設分野で実績を有するエンジニアリング会社です。両社はそれぞれが有する技術を統合して、特に洋上へも適用可能なGTLプロセスの開発を促進し、新たな市場開拓を追及していくための戦略的アライアンスとして本開発を位置づけ、2007年11月より共同でプロジェクトをスタートしました。今般、石油随伴ガスや中小規模ガス田への適用需要が高まっていること、ならびに本商品開発が順調に進捗し新たな段階へ進んだことで、当初の予定を約1年前倒しで商品化完了することを目指します。実証試験が成功した後の商業化1号機は、洋上石油開発に伴う随伴ガス処理用としてFPSO(洋上石油生産貯蔵設備)に併載する小型GTLを想定しています。

現在、世界の市場への搬出手段がないために、3,000兆立方フィート以上の天然ガスが未開発もしくは利用できない状態にあります。今回商業化を目指すGTLプロセスは、これら未開発の天然ガスや大気放出・燃焼処理されている石油随伴ガスを有効利用するものであり、地球温暖化ガスの排出削減による環境改善にも寄与します。

※GTL(Gas-to-Liquid)とは:
ガスを液化するシステムやコンセプトの総称。体積のかさむガスを輸送に適した液体に転換することがガス開発の要点となっており、各種のGTLシステムが開発されています。