ペトロブラス社ブラジルTupi鉱区向けFPSOチャーターを開始
2010年12月21日
三井海洋開発株式会社(会長: 山田健司)がブラジルの国営石油開発会社であるPetroleo Brasileiro S.A. (以下「ペトロブラス社」)から受注し、建造・据付を行っていたFPSO(Floating Production, Storage & Offloading System:浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)は、当初の予定より約1ヶ月早い9月22日に現地に到着し、10月末にチャーターを開始しました。
"FPSO Cidade de Angra dos Reis MV22"と命名された本FPSOは、ペトロブラス社が保有するTupi(トゥピ)鉱区の開発に用いられます。リオデジャネイロの沖合約300kmに位置するTupi鉱区は、海底下5,000〜6,000mのプレソルト層(岩塩層)の下にある巨大油田です。本プロジェクトはブラジルにおけるプレソルト層からの初の原油商業生産となります。
本FPSOは日量10万バレルの原油生産能力、日量5百万立方メートルのガス生産能力、硫化水素及び二酸化炭素の除去機能、二酸化炭素を海底に再圧入する機能及び約160万バレルの原油貯蔵能力を持ち、SOFEC社が設計するSpread Mooring(スプレッド・ムアリング)と呼ばれる係留方法で、水深約2,149mの海上に係留されています。生産された原油はFPSOの貯油タンクに貯蔵された後に定期的にシャトルタンカーに積み出され、生産されたガスは海底パイプラインで陸上の施設に輸送されます。
本FPSOは当社の関連会社が保有し、ペトロブラス社に対し15年(1年毎×5回の延長オプションあり)のチャーターサービス(リース及び運転・保守点検等のオペレーション)の提供を行います。
ペトロブラス社は近隣海域の油田開発用に今後さらに10基以上のFPSOが必要になると見込んでおり、当社は受注を目指し積極的に注力していきます。