プロジェクト

エクイノール社ブラジル沖合プレソルト層BM-C-33向けFPSOプロジェクトを受注

 三井海洋開発株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:金森健、以下「当社」)は、北欧最大のエネルギー企業であるEquinor ASA(以下「エクイノール社」、本社:ノルウェー・スタヴァンゲル)の子会社Equinor Brasil Energia社との間で、ブラジル沖合Campos(カンポス)海盆内BM-C-33鉱区に位置するPão de Açúcar(ポン・ジ・アスーカル), Seat(シアチ) & Gávea(ガービア)油田群開発プロジェクト向けFPSO(Floating Production, Storage & Offloading system:浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)を提供する売買契約(Sales and Purchase Agreement、以下「本契約」)を締結しました。

 BM-C-33鉱区は、リオデジャネイロ沖約200kmの巨大なプレソルト層(岩塩層直下の層)に位置する海底油田の一部で、エクイノール社がRepsol Sinopec Brazil (35%)及びPetrobras(30%)と共同保有します。

 本契約は、FPSOのFEED(Front-End Engineering Design:基本設計)及びEPCI(Engineering, Procurement, Construction and Installation:設計から機器購入、建造、据付までの一括工事)を含む2段階のターンキー契約です。2022年4月に開始された本プロジェクトのFEED業務の完了後、2023年5月8日にFID(Final Investment Decision:最終投資決定)が実行され、当社は本プロジェクト向けFPSO(以下「本 FPSO」)のEPCI契約を正式に受注しました。

 本FPSOは、大幅な二酸化炭素排出量削減が可能な「コンバインドサイクル発電システム(ガスタービン発電と蒸気タービン発電の複合発電システム)」を搭載した、当社2基目のフル電動FPSOとなります。日量12.5万バレルの原油生産能力、日量565百万立方フィートのガス生産能力、200万バレルの原油貯蔵能力に対応すべく、従来のVLCCタンカーより広い甲板を有するダブルハル設計の新造船体を採用し、当社米国子会社のSOFEC社が設計・納入するSpread Mooring(スプレッド・ムアリング:多点係留)と呼ばれる係留設備で、水深約2,900mの海上に係留されます。本FPSOは2027年に引き渡され、その後当社がエクイノール社に対し、1年間のオペレーション&メンテナンス・サービスを提供します。

 現在、当社が全世界でオペレーションを提供する19基のFPSO/FSOのうち、12基はブラジルの設備であり、さらにブラジル沖合でのオペレーションに向け本FPSOを含め4基のFPSOを設計・建造中であるなど、ブラジルは当社にとって最も重要な市場のひとつです。特に、2006年に発見され、その可採埋蔵量の多さから、同国のみならず石油・ガス業界全体からも注目されるプレソルト層深海鉱区群では、2010年に当社設計・建造のFPSOが世界初の原油商業生産を達成して以来、当社は本 FPSOを含め計10基のFPSOを受注するなど、圧倒的な実績を誇っています。

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BM-C-33鉱区向けFPSOの完成予想イラスト

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