プロジェクト

カーボンキャプチャーのパイロット・プロジェクトのFEED契約を発注 ~洋上のFPSOにCarbon Cleanの CycloneCC技術を採用~

 三井海洋開発株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:宮田 裕彦)は、洋上のFPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)上でのカーボンキャプチャーに関するFEED(Front End Engineering Design:基本設計)スタディをSAMSUNG E&A社に発注したことをお知らせします。

 FEEDスタディでは、Carbon Clean Solution Ltd.社(以下Carbon Clean社)のモジュール式CycloneCC技術を採用します。Carbon Clean社はSAMSUNG E&A社に対し、CycloneCCの主要技術であるRPB(Rotating packed bed)技術の装置供給及び同装置のプロセス設計パッケージ(PDP:Process design package)のライセンス供与を含むFEED業務遂行のサポートを行います。また、SAMSUNG E&A社は、FPSOの限られたスペースにCycloneCCを用いたパイロットプラントを設置するため、PDPを基にした装置設計を行います。

 当社は、 FPSOプロジェクトで培った浮体式ソリューションにおける全体配置、船体設計、係留技術等の知見を活かし、Carbon CleanのCycloneCC技術を、当社が所有ならびに保守・管理するFPSOに世界で初めて搭載することを計画しています。

 CycloneCCはユニットの設置面積は従来のソリューションより最大50%小さく、主要な機器のサイズは10分の1にまで小型化されており、スペースの限られた洋上での使用に適しています。さらに、最近発表されたCycloneCC C1シリーズは、カラム型の技術と比較してモジュール高さを70%低くすることができるとされています。CycloneCC は、CO2回収装置の小型化・低重心化と、船の動揺に対する回収性能の変化が少ないRPBの特性とを併せ、動揺する船体上でも安定したCO2回収性能を発揮することが期待される洋上での運用に適した技術であることが期待されています。

 このカーボンキャプチャープロジェクトは、当社の「Vision 2034」における脱炭素戦略に沿ったもので、FPSOにおけるCO2排出量の削減と、新たなフローティング・ソリューションの創出の両方に貢献することを目指しています。当社は、本FEEDスタディとパイロット・プロジェクトの結果を踏まえて、スケールアップした本格的なCycloneCCユニットの洋上のFPSOへの搭載を検討していく予定です。

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Carbon Clean社 の CycloneCC C1シリーズ(イメージ)

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