SOFCのFPSO搭載におけるABS新技術認証のマイルストーン達成
2026年09月15日
三井海洋開発株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役 社長執行役員:宮田 裕彦、以下「当社」)は、Eld Energy AS(以下「Eld Energy社」)と共同で、浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備(以下「FPSO」)向けSOFC(Solid Oxide Fuel Cell:固体酸化物形燃料電池)発電システム開発において、この度、米国船級協会(American Bureau of Shipping、以下「ABS」)の新技術認証(New Technology Qualification、以下「NTQ」)プロセスにおける「技術実現可能性評価(Feasibility Stage)」および「コンセプト検証(Concept Verification Stage)」両フェーズを完了しました。
本成果は、前例のない洋上環境でのSOFC技術の適用に向け、安全性、信頼性および規制適合性が認められたことを示す重要なマイルストーンです。
今回、Eld Energy社が開発した「Eld Power Module 40kW」は、FPSOで生産される随伴ガスや低排出型燃料を利用できるよう設計された、高効率の40kW級SOFC発電ユニットです。
今後は、プロトタイプ検証(Prototype Validation Stage)およびABSによる本船関連審査が完了次第、当社が操業するFPSO上に搭載し、パイロット試験を実施する予定です。
40kW規模での試験成果を基に、次の開発段階では、二酸化炭素回収システムとの統合を見据え120kWモジュールに拡張し、最終的にはメガワット級へのスケールアップを目指します。

今回の取り組みについて、当社常務執行役員、CTOの松宮晃一は次のように述べています。
「MODECは、海洋の浮体設備を用いて、地球環境の保護とエネルギーの安定供給という一見相反する課題を、革新的なIdeaによって両立させることを目指しています。その一環として、SOFCの高い燃料効率とカーボンキャプチャーとの親和性の高さに着目し、Eld Energy社と共同で、革新的なコンパクト低炭素電源システムの技術開発に取り組んでいます。これにより、洋上生産設備における電力供給ソリューションの選択肢を拡げていくことを目指しています。」

左から
Tjalve Svendsen, CTO of Eld Energy
Ivar Singstad, CCO of Eld Energy
Amir Izadparast, Manager, New Technology Development, MODEC
Matthew Tremblay, Senior Vice President, Global Markets, ABS
Hans Fredrik Lindøen-Kjellnes, CEO of Eld Energy
宮田 裕彦 代表取締役 社長執行役員, MODEC
鈴木 惇也 SOFC R&D プロジェクトマネージャー, MODEC
Phuong Hong, Sustainability Process Lead, MODEC
Matthew Mueller, Vice President, Regional Business Development, ABS
Rostom Merzouki, Vice President, Global Sustainability, ABS
プロジェクトの概要
- SOFCベースの発電システムは、FPSOで生産される随伴ガス、および二酸化炭素回収システムと統合された設備からリサイクルされる水素リッチガスを燃料として運転できるよう設計されています。システム全体の発電効率は最大で約70%を見込んでいます。
- 洋上での実証に先立ち、HAZID、HAZOP、FMEAなどの主要なリスク評価に加え、ABSによる独立した審査を実施しています。
- 当社の 「ビジョン 2034」 における脱炭素戦略に沿って、洋上エネルギー生産向けの革新的な脱炭素ソリューションを提供し、FPSOの稼働率を損なうことなく、温室効果ガス排出量の大幅な削減を目指しています。
