ペトロブラス社ブラジル沖合プレソルト層Mero鉱区向けFPSO受注
2017年12月19日
三井海洋開発株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:宮﨑俊郎)は、ブラジル連邦共和国の国営石油会社であるPetróleo Brasileiro S.A. (以下「ペトロブラス社」、本社リオデジャネイロ市)率いるLibra(リブラ)コンソーシアムより、FPSO (Floating Production, Storage & Offloading System:浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)1基の建造及びチャーター契約を受注しました。
本FPSOは、ペトロブラス社(40%)、Shell(20%)、Total(20%)、CNPC(10%)及びCNOOC(10%)により組成されるLibraコンソーシアムが権益を保有しペトロブラス社がオペレーターを務めるMero(メロ)鉱区(旧Libra鉱区)の開発プロジェクトに用いられます。 ブラジル・リオデジャネイロ沖合約180kmのSantos(サントス)海盆内に位置するMero鉱区は、海底下約5,000mのプレソルト層(岩塩層直下の層)にある海底油田の一部です。
日量18万バレルの原油生産能力、日量12百万立方メートルのガス生産能力、日量22万5千バレルの水圧入能力、140万バレルの原油貯蔵能力を持つ本FPSOは、当社米国子会社のSOFEC, Inc. 社が設計・建造するSpread Mooring(スプレッド・ムアリング:多点係留)と呼ばれる係留設備で、水深約2,100mの海上に係留されます。
当社は、本FPSOの設計から機器購入、建造、据付までの一括工事を請け負います。また、本FPSOは、完成後に当社の関連会社が保有し、ペトロブラス社が率いるLibraコンソーシアムに対する22年のチャーターサービス (リース及び運転・保守点検等のオペレーション)に供されます。
本FPSOは、ブラジルにおける海洋石油・ガス開発プロジェクトとして当社が建造する14基目の浮体式設備となり、本件は今年10月のSépia(セピア)鉱区向けFPSOに次いで2基目のFPSOの受注となります。本年、ペトロブラス社から大型案件を連続して受注したことにより、来年度以降、当社の収益基盤は一層拡大できると期待しています。
現在、ブラジルで生産されている原油量の約3割は、当社がオペレーションを手掛ける9基のFPSOと1基のFSO(Floating Storage & Offloading system:浮体式海洋石油・ガス貯蔵積出設備)を通じて産出されており、 ブラジルは当社にとって最も重要な市場のひとつであります。特に、2006年に発見され、その可採埋蔵量の多さから、同国のみならず石油業界全体から注目されるプレソルト層深海鉱区群では、2010年に当社建造のFPSOが世界初の原油商業生産を達成して以来、当社は本FPSOを含め計7基(※1)のFPSOを受注するなど、圧倒的な実績を誇っています。なお、建造中も含め当社が建造後オペレーションサービスを提供するブラジル向けFPSO計12基の総原油生産能力は、日量約150万バレル(※2)に達することになります。
- ※12010年10月に世界で初めてブラジル沖プレソルト層深海鉱区での原油商業生産を達成したFPSO Cidade de Angra dos Reis MV22をはじめ、当社グループで保有する以下5基のFPSOが、それぞれペトロブラス社がオペレーターを務めるプレソルト層深海鉱区で稼働している他、本年10月に当社が受注し現在建造中の「FPSO Carioca MV30」もプレソルト層であるSepia(セピア)鉱区向けFPSOです。
FPSO Cidade de Angra dos Reis MV22: | Lula(旧Tupi)鉱区 |
FPSO Cidade de São Paulo MV23: | Sapinhoá(旧Guará)鉱区 |
FPSO Cidade de Mangaratiba MV24: | Iracema Sul(旧Cernambi Sul)鉱区 |
FPSO Cidade de Itaguaí MV26: | Iracema Norte(旧Cernambi Norte)鉱区 |
FPSO Cidade de Caraguatatuba MV27: | Lapa(旧Carioca)鉱区 |
- ※2参考値として、日本国内/ブラジル国内で消費される原油が、それぞれ1日当りおおよそ450万バレル/300万バレルであると言われています。