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米国子会社SOFEC社、電力供給ブイの設計基本承認(AiP)を取得

 三井海洋開発株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:金森 健)の米国子会社SOFEC, Inc.(以下「SOFEC社」)は、エネルギー・トランジッションと再生可能エネルギーへの取り組みの一環として開発した電力供給ブイ(Electric Charging Buoy)のAiP(Approval in Principle:設計基本承認)をABS(American Bureau of Shipping:米国船級協会)より取得しました。

 二酸化炭素排出量削減や環境汚染防止の取り組みが世界的に広がる中、海洋産業の環境問題への取り組みの動向に対しても関心が高まっています。特に注目されているのは、動力源としての陸上電力および再生可能エネルギーの利用の拡大です。通常、洋上や岸壁のない港に停泊中の船舶は、陸上電力の供給を受けることができないため、搭載している化石燃料を利用したエンジンやバッテリーを使用し続けることなり、環境負荷が少ない動力供給が課題となっています。加えて、近い将来、タグボート、CTV(Crew Transfer Vessel:作業員輸送船)、SOV(Service Operation Vessel:作業支援船)などの海洋船舶も電気自動車(EV)のように完全に電動化されれば、洋上充電ステーションの需要も高まります。

  SOFEC社は、係留システムの設計における50年以上の経験を生かし、洋上での電力供給のニーズに対応しています。かねてより、SOFEC社のカルム・ブイ*1は、外部からの供給電力を利用しながら船舶の係留を可能にする電力ケーブル管理ソリューションを実装していましたが、この実証済のコンセプトを活用することで、港湾や洋上風力施設の発電設備から電動化船舶への洋上での電力供給に対応するブイの開発につながりました。

 なお、SOFEC社は、2023年初めにもDNV (ノルウェーの船級協会)よりアンモニア移送システムのAiPを取得*2しており、今後も係留設備の開発を通じ、より環境にやさしい持続可能な社会への貢献が期待されています。

SOFEC_EBUOY_20231212.jpg

  • *1  カルム・ブイCALM (Catenary Anchor Leg Mooring) buoy : 懸垂曲線をなす複数のアンカーラインにより海底に固定された一点係留ブイ。ブイには送油ラインが接続されており、このブイにタンカーを係留することでタンカー係船と送油を行うことが可能
  • *2  アンモニア移送システムのAiPを取得: 2023年4月20日リリース「米国子会社SOFEC社、アンモニア移送システムの設計基本承認(AiP)を取得」

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