研究開発

イノベーションで持続可能な未来を拓く

三井海洋開発(MODEC)の研究開発では、海を舞台にイノベーションを起こしていきます。真摯な技術的探求、操業経験に裏打ちされた創意工夫、そして変わらぬパイオニア精神で、海と人類の共存共栄を目指し、持続可能な未来を切り拓いていきます。


FPSOの脱炭素化 SOFC(固体酸化物燃料電池)

SOFC(固体酸化物燃料電池)は固体セラミック電解質を用いて、燃料を燃焼させるのではなく化学反応によって電気に変換する燃料電池の一種です。高温で作動することにより、水素、天然ガス、メタノール、アンモニアなど多様な燃料を利用できます。この特性からFPSOで生産される随伴ガスも活用可能だと考えられています。

当社は、ノルウェーのELD Energy社と協力し、既存のガスタービン発電(GTG)の代替としてFPSOに適用されるSOFC発電システムを開発しています。60%超の高発電効率を持つSOFCに、コンパクトで低エネルギー消費のカーボンキャプチャー(CC)を統合。SOFC+CCにより、FPSOの稼働率を損なうことなく大幅な脱炭素化の達成を志向しています。

SOFC

海洋向け SOFC 発電システム開発でEld Energy社・Delta社と戦略的協業に 向けた声明を発表

FPSO向け120kW SOFC+CO₂回収設備 統合システムの共同開発契約をELD Energy社と締結

FPSOからのGHG排出量削減を目指しSOFC(固体酸化物形燃料電池)パイロットプラントを発注


FPSOの脱炭素化 カーボンキャプチャー

当社は、CO2濃度の高い随伴ガスからCO2を回収し、余剰ガスとともに貯留層へ再圧入する「燃焼前」カーボンキャプチャーを操業中の幾つかのFPSOで導入し、運用しています。その知見を基に、FPSOの温室効果ガス(GHG)排出の大半を占めるGTGなど燃焼機器の排ガスに対して「燃焼後」カーボンキャプチャーの導入に向けた研究開発を進めています。FPSO特有の制約に適合するカーボンキャプチャーシステムを開発し、信頼性、保守性、コスト効率に優れた技術の導入を目指しています。

FPSO_Cidade_de_Angra_dos_Reis_MV22
FPSO Cidade de Angra dos Reis MV22
FPSO_Cidade_de_Sao_Paulo_MV23
FPSO Cidade de Sao Paulo MV23
FPSO Carioca MV30
FPSO Carioca MV30
FPSO Guanabara MV31
FPSO Guanabara MV31
FPSO Almirante Barroso MV32
FPSO Almirante Barroso MV32
占有面積を低減できる技術

洋上プラットフォームでは陸上に比べて装置の設置スペースが限られます。効率を維持しながらカーボンキャプチャー装置の小型化を図る技術を開発しています。

カーボンキャプチャーのパイロット・プロジェクトのFEED契約を発注

省エネルギー型PCC運用

FPSOでは原油分離に多くの熱エネルギーを要します。CO2分離の省エネルギー化により、FPSO全体のエネルギー効率向上を図ります。


浮体ソリューション FNPP(浮体式原子力発電プラント)

FNPP(浮体式原子力発電プラント)

2050年に向けて世界の電力需要は最大で3倍に拡大すると見込まれています。当社は、浮体式原子力発電所(FNPP)が、将来の人々の豊かな生活を支えるべく、温室効果ガス排出抑制と電力需要増の双方に対応する上で重要な役割を果たすと考えています。FNPPは再生可能エネルギーを補完する、安定的に稼働するベースロード電源としての役割を果たし、沿岸・島嶼地域の系統安定化に寄与。モジュール建造技術と当社の洋上プロジェクトの実行力を活用して、クリーンエネルギーの需要増に対応するための実用的・拡張性のあるソリューションを開発します。



浮体ソリューション LCO2 FSIU(浮体式CO2貯蔵・圧入ユニット)

LCO2 FSIU (Floating Storage and Injection Unit:浮体式CO2貯蔵・圧入ユニット)は、低圧で輸送された液化CO2(LCO2)を受け入れ、貯蔵し、高圧で海底坑井へ圧入して恒久的に貯留する、陸上の受入設備や坑井へのパイプライン経由の輸送設備の代替手段です。洋上の受入・圧入ハブとして機能し、貯留層へのCO2隔離を可能に。大規模で信頼性の高い洋上CO2貯蔵により、低炭素社会への移行を支援します。

浮体式液化CO2貯蔵・注入ユニット(FSIU)のAiPをビューローベリタスより取得

浮体式液化CO2貯蔵・注入ユニット(FSIU)のAiPをABSより取得

LCO2 FSIU
LCO2 FSIU(二隻のLCO2輸送船からの同時積み込みのイメージ図)

浮体ソリューション FOWT(浮体式洋上風力タービン)

浮体式洋上風力の導入に向けた最大の障壁は発電コストです。当社は、石油・ガス分野でのTLP(Tension Leg Platform: 緊張係留)のリーディングプロバイダーとしての技術・実績を活かし、浮体式洋上風力発電の産業化に貢献します。

iTLPTMコンセプトは、発電サイト面積あたりの発電量の最大化とLCOE(均等化発電原価)の最小化を両立すべく、低揺動で設置場所を選ばず、そして発電サイトでの重保守・修繕の実現を含む堅牢なライフサイクル性能を実現するソリューションとして開発を進めています。さらに、従来の基礎では困難だった深い水深での着底式風力の実現にも取り組んでおり、新たな洋上発電サイトの開拓を図っています。

革新的な浮体式洋上風力発電システムに関するAiPをABSから取得

iTLP2-FOWT
iTLPTM2 - FOWT

浮体ソリューション アンモニアFPSO

エネルギー転換の過程で、アンモニアなどの低炭素燃料は電力・産業の脱炭素化に一定の役割を果たすと期待されています。当社は市場の成熟化を見据え、新たな需要に対応する製品コンセプトを開発しており、その一つが「低炭素アンモニアFPSO」です。本ソリューションは、現在は再圧入されている、原油生産に伴う余剰な随伴ガスを用いて洋上で低炭素アンモニアを生産することを可能にします。

ブルーアンモニアFPSOのAiPをABSより取得

アンモニアFPSO

浮体ソリューション 表層型メタンハイドレート

Offshore Methane Hydrate

当社は、表層メタンハイドレート回収の商業化に向けた研究開発に参加しています。


係留ソリューション 桟橋を代替する新エネルギー向け洋上ターミナル

Jetty-Less Offshore Terminal for New Energies

代替エネルギー需要の増加、洋上充電の必要性、洋上CO2圧入サイトの拡充により、洋上移送・荷役に関する新インフラが求められています。オペレーターは、安全性が高く迅速に展開でき、コスト・海岸線への影響・プロジェクトリスクを低減するソリューションを必要としています。

当社は、実績あるSOFEC®のCALMブイおよびローディングタワー技術を活用し、代替燃料・電力・CO2に関して、桟橋の設置を必要としない移送ターミナルを実現すべく、従来技術の新用途適用に必要な技術要素の適格性評価、システム安全性評価を含むR&Dを推進しています。アンモニア、及び電力の輸送ターミナルについてはAiPを取得済みです。

米国子会社SOFEC社、アンモニア移送システムの設計基本承認(AiP)を取得


係留ソリューション サブマージド・ヨーク・システム

Fluid & Electricity Transfer System

FSRUやFLNGの需要増に伴い、浅海域での係留需要が高まっています。当社は、FPSO MIAMTE MV34において実現した業界初・唯一の切り離し可能なタワーヨークを含むタワーヨーク係留設備の豊富な提供実績を誇っており、その技術をもとに市場ニーズに合わせたより低コストなSOFEC® Submerged Yoke Mooring System(SYMS)製品群の技術開発を進めています。コンセプト設計、水中機器等の重要機器の評価・詳細設計、システムの最適化設計を通じ、プロジェクト要件に応じた、切離し型を含む水中ヨークムアリングシステムを提供します。


ライフサイクルバリューの向上 デジタル技術開発

当社は合弁会社「Shape」を通じて、オフショアビジネスに特化したデジタル運用・データ分析等のサービスShape Lighthouse、Shape Aura、Shape Reef 3製品を市場に展開しています。社内の運用効率化・脱炭素等のニーズに基づき、当社とShapeは業界の課題を解決する新たなデジタル製品のR&Dを共同で推進しています。

Shape Digital

併せて、社内のプロジェクト実行能力をさらなる強化のためDigital & Analyticsへの投資を拡大しており、過去のデータから洞察を得ることで、業務最適化、安全性・信頼性・コストの改善を加速しています。

Digital & Analytics

Shape Digital、Shell Brazil、MODEC、カンピーナス州立大学でAI活用のリスク評価手法の共同開発を開始

Digital Initiatives

ライフサイクルバリューの向上 操業現場へのロボット技術の導入

危険作業をロボットによる作業に置き換え、より安全で人にやさしいFPSO操業を目指すR&Dを推進しています。ロボット技術の導入により操業の安全性向上に加え、洋上のPOB(乗員数)制約にも貢献し、少人数での効率的・信頼性の高い操業を可能にします。

タンク内点検へのドローン導入は既に通常の操業の一環として実施されており、人による閉鎖空間・高所作業のリスクを回避しつつ、競争力あるコストを達成しています。

FPSOの原油貯蔵タンク検査に関するテラドローンとの共同研究開発契約を更新

海洋プラットフォーム向け検査ドローンの共同研究開発契約をテラドローンと締結

ドローンによるFPSOの船体板厚計測で船級協会より世界初の承認を取得

海洋プラットフォーム向け検査ドローンの開発に関する覚書をテラドローンと締結

操業現場へのロボット技術の導入

ライフサイクルバリューの向上 CFRP補修

CFRP

稼働中のFPSOを修理のために操業停止すると、それに伴う顧客の機会損失は甚大です。洋上で修理を行う場合、資材や人員の輸送にも制約があります。

このような制約下で新たな洋上船体補修手法が必要となる中、当社はCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を用いた鋼構造の補修技術を継続的に開発し、溶接などの火器工事の代替手段として船体補修に適用しています。