自らの専門性を磨き、事業全体の理解を深め、「ともに仕事をしたい」と思われるようでありたいと励む日々です。

コーポレート(法務)

2022年4月入社
新卒採用
東京大学 法学部
法務&プロジェクト管理部

  

これまでのキャリア

2022.04 - 2023.12 法務部
  • 新造船体設計開発 契約サポート
  • Dispute案件 対応サポート
2024.01 - 現在 法務&プロジェクト管理部
  • MV10関連プロジェクト 契約サポート
  • 洋上風力案件 契約サポート

MODECを選んだ理由 明快で難解なビジネスに与する

法学部に進むも、法解釈の技術よりその背後にある思想・歴史に惹かれ、気ままに大学生活を楽しんでいました。より学問に没頭するには自分の力量に限界を感じ、とはいえ就活にも熱心とは言えず、紆余曲折あって偶然MODECを知りました。周囲と比べると珍しいキャリアであり、家族・友人からも決まって不思議そうな顔をされました。

それでもこの会社を選んだのは、シンプルに面白そうだと感じたからです。FPSO事業には至るところにリスクが潜みます。建造にあたり多数のサブコンを起用しますが、その一つの遅れがプロジェクト全体の遅れにつながりかねません。完工後も、乗員人数が限られ物資輸送も容易でない環境で、FPSOを10年、20年と稼働させなければなりません。

その中でいかに安全・確実にプロジェクトを進め、利益を確保するか。目指すべきところも、超えるべき課題も、期待される役割も明快かつ難解です。入社後もその認識に変わりはありません。次から次へと、時には思いもよらないようなものまで、トラブルも飛び込んできますが、その都度知恵を出し合い、数千億円規模のプロジェクトを仕上げます。若手のうちからその様子を垣間見ながら、微力ではあれ自分もその一員であると感じられるのは、魅力のある仕事だと思います。

私の仕事 万一に備えた言葉をつくる

法務の役割は主に契約書のレビューであり、中でも大きな仕事は石油会社との間でのFPSOの建造等に関する契約サポートです。本文だけでも100ページを超える英文契約書のドラフトには、リスクが顕在化すればたちまち会社存続の危機となる条件も時にあり、入札・営業を担うチームと一丸となって、改善に向けた交渉に臨みます。

晴れて石油会社との契約締結に至りプロジェクトが始動すると、各サブコントラクターとの契約が必要となります。生産拠点を持たない会社である以上、そうした契約こそが「出発点」であり「要」です。当社が石油会社に対してするのと同様に、サブコントラクターから当社にも交渉が持ち掛けられます。プロジェクト全体への影響に鑑み、どこまでであれば受け入れ可能か、プロジェクトチームと日々頭を悩ませています。

これらの契約を締結したのちも安心はできません。タイトスケジュールの中で多数の関係者が協働してプロジェクトを進める以上、トラブルはつきもので、時には不運にも法的紛争に発展する事態もあります。契約で何が合意されていたかに立ち返り、当社・相手方双方の主張を吟味し、場合によっては社外弁護士にも頼りながら解決策を探る。そんな風にして、契約を基軸に都度プロジェクトを支えていくのが、当社の法務の業務です。

入社して最初に、こうした法務の仕事は依頼元への聞き取りから始まると教わりました。新たな契約書のレビューにも締結済みの契約の分析にも、取引の目的や内容は何か、トラブルの原因や交渉経緯はどうかなどと事実関係の正確な把握が第一です。定型的な対応のみで済むのは一握りで、依頼の詳細に応じてその都度最適な契約書・リーガルアドバイスを「仕立てる」仕事とも言えます。

誰しも契約書の文言を読み書きすることは可能ですが、特有の用語やその背景にある法令・契約の知識など、正確な解釈・ドラフトには一定の素養が求められるのも事実です。契約書の一言一句に気を配って言葉をつくるこの仕事は、一見地味で会社の経済的利益に直結はせずとも、まさかの事態にも耐えられる事業の礎につながるものだと信じています。

東京本社にて

目標 ともに、自分の持ち場を果たす

独りよがりにならず人を頼ること、同時に、任せきりではなく自分の仕事としてやり切ること、これらのバランスとタイミングを大切にして日々の業務にあたっています。仕事を任せられるからにはその人に期待される役割があります。常に相手の意向を窺い、ただ言われた通りにこなすばかりでは、「自分の仕事」を果たしたことにはなりませんし、何よりやっていてあまり楽しくありません。

一方で、すべてを自分一人でやり遂げてみせようとするのも無謀です。企業の一員として働く以上、適材適所での役割分担は欠かせず、閉ざされた態度では知らず知らずのうちに思考が隘路に陥り、期待を満たすような仕事の出来とはならないかもしれません。至極当たり前のようなことですが、自分の経験から身をもって得た”Lessons Learned”です。(要は「教訓」のことですが、この会社ではしばしばこの言い回しが好まれます。)

各々が自分の仕事に自負を持ち、他者のそれを尊重しながら協力を仰ぎ、担当としての職責を果たす。その連鎖によって、長期・巨額のプロジェクトの達成に至るのだろうと思います。自らの専門性を磨き、事業全体の理解を深め、「ともに仕事をしたい」と思われるようでありたいと励む日々です。FPSOビジネスを取り巻く環境はやはり興味深く、より身近にその面白さを味わえる場所で仕事ができるようになるのが当面の目標です。

 

はじめての海外出張、シンガポールオフィスにて

就活中のみなさんへ

天命を待つ

 

キャリアや進路は「私の選択」として語られるものの、将来は不確実であって、その選択に確信を持てる人はごく一部です。そもそも運や縁やタイミングなど当人には関与できない事情もあり、果たしてどこまでが本当に「私の選択」といえるのか疑問が残ります。

では、所詮先のことなんて誰にもわからないとして努力や思考を放棄してよいか、となるとおそらくそうとも言えないでしょう。不安や不満が残るような完璧からは程遠い決定であっても、その結果を引き受けて自分の人生に肯定的に組み込むためには、たとえ言い訳がましく見えたとしても「私の選択」として語ろうとする態度が必要なのだと思われます。

自分自身の大学生活を顧みると「いかなる進路を、どのような理由で選択するのか」との問いに、どこか常に迫られていたように思います。あまり思いつめることなく気楽に構えればよいと今なら言えますし、あの頃の自分と同世代の皆様にお伝えできればと思います。

「MODECのビジネスは面白いかもしれない」と感じた方々と、ともに、仕事ができるご縁があればと願っています。

造船所見学にて、FPSOの大きさに圧倒されるばかり