テクニカル要素を中心としながらもうまくコマーシャル要素を統合した形がMODECのビジネスとも言えるかと思います。
プロジェクト・ファイナンス
2016年4月入社
新卒採用
京都大学 経済学部
プロジェクト・ファイナンス部
これまでのキャリア
2016.04 - 2017.04 | プロジェクト開発部 (現ビジネス&プロジェクト・サポートグループ
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2017.05 - 2019.05 | プロジェクト開発部
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2019.06 - 2021.03 | コートジボワール駐在
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2021.03 - 2021.08 |
チャーター・オペレーション部 (現リース・ビジネス部) |
2021.09 - 2022.02 | ビジネス&プロジェクト・サポートグループ |
2022.03 - 現在 | プロジェクト・ファイナンス部
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MODECを選んだ理由 Oil & Gasで活躍する日系企業
私は就職活動をする際、”インフラのインフラ”と呼ばれるエネルギー業界、中でもOil & Gasと呼ばれる原油・ガスの開発・生産事業に興味があり、そういったフィールドで働ける企業を探していました。その中でもなぜMODECを志望したのか、大きく以下の2つの理由があります。
1つ目がMODECの業界内でのプレゼンスです。私はOil & Gasの業界研究を進めていくうちに、Oil & Gasはかなり既得権益の世界であり、非産油国の日本で主体的にそこに携われる企業はほとんどないことを知りました。事実、今現在も仕事をしていて常々感じますが、Oil & Gasのプレーヤーはかなり限られています。戦前から世界各地で巨大な権益を取得していた国々(アメリカ・イギリス等)、自国の豊富な資源を足掛かりにグローバル展開に成功した国々(オーストラリア・ノルウェー等)、そして豊富な埋蔵量を誇る現産油国(中東諸国・ブラジル・メキシコ等)などです。
そうした産油国・既得権益保有国発の企業が前提となるOil & Gas業界において、MODECはFPSOを使った洋上での原油・ガスの生産で世界2強の一角をなし、ブラジルや西アフリカといった新興地域では特に大きなプレゼンスを誇っています。こうした日系企業でありながら、より深くOil & Gas業界に食い込める点は非常に魅力的でした。
2つ目はMODECのビジネスモデルです。MODECのビジネスモデルは大きく以下の3つの側面に分けることができます。
- FPSOの建造工事(Engineering, Procurement and Construction: “EPC”)を通じたモノづくりの側面
- FPSOという1,000億円越えのビジネスにパートナー企業と共に出資する事業投資の側面
- 20年に渡ってFPSOの修繕・保守管理を行うオペレーションの側面
建造・投資・保守管理というそれぞれの分野のノウハウを有機的に統合し、最終的に原油・ガスの安定生産につなげていくというスケールの大きさはまさにMODECならではであり、私のやりたいこととピタリと一致しました。
またこれは実際に入社した後に感じたことですが、MODECは上記の3つの側面をもっているため、一般的なメーカーやエンジニアリング会社と比較して、我々文系卒の社員の職務範囲が広いという特徴があります。20年に渡って1,000億円越えのビジネスをマネージするために、コスト管理・ファイナンス・法務・税務など求められるコマーシャル的素養は多岐にわたります。テクニカル要素を中心としながらもうまくコマーシャル要素を統合した形がMODECのビジネスとも言えるかと思います。
私の仕事 事業投資のプロフェッショナルを目指して
これまでアジア地域のFPSO案件の入札業務やコートジボワール・ガーナでの稼働中のFPSOの損益管理業務をそれぞれ約3年ずつ経験し、かねてより希望していたプロジェクトファイナンス部に異動しました。
プロジェクトファイナンス部は上記MODECのBusinessでいうと主に②事業投資を担う部署です。最大1,000億円超のFPSOの建造資金をどのように調達し、最大20年のチャーター期間中に顧客より得られるチャーター料(1日あたり数千万円)から何年で投資を回収し、トータルいくらのリターンをあげるかといった事業投資計画の立案及び実行、管理が主な業務内容です。具体的には以下です。
入札段階
- 邦銀・外銀・輸出信用機関等の金融機関との交渉及び資金調達案の作成
- 各SPCパートナー*との参画条件のすり合わせ
- 入札時における事業投資の採算性の計算及び顧客に提示するチャーター料の作成
- 金融機関からの資金調達を可能とするための契約条件の交渉
受注後のFPSO建造段階
- 実際に資金調達を行うために金融機関と各種契約を締結
- 建造期間中の採算性の管理
- SPCの運営・管理
*商社や海運会社などと共同出資することでSpecial Purpose Company(“SPC”)を設立し、資金調達等を行っています。
私はプロジェクトファイナンス部の業務を通じて、以下の2つの魅力を感じています。
1つ目が「求められる知識・能力水準の高さ、そしてそれに見合うやりがい」です。 プロジェクトファイナンス部で求められる知識・能力は多岐に渡ります。具体的にはファイナンス、会計・税務、契約などで、どれか1つでも欠けると十分なパフォーマンスを発揮することはできません。また1つ1つの業務がProjectの受注の成否、会社としての億単位の採算・リスク分布に関わるので非常に緊張感がある一方で、大きなやりがいを感じることが出来ます。
2つ目が「ステークホルダーの多さ」です 上記の通り、2,000億円規模の事業投資を行う上で、多くのステークホルダーと関わることが出来ます。具体的には、顧客(世界を代表するオイルメジャーや国営石油会社など)、金融機関(場合によっては1つのProjectで10行以上にコンタクトします)、SPCパートナー(商社や海運会社)などです。ステークホルダーの利害を調整し、1つのProjectとして纏め上げるのがプロジェクトファイナンス部の重要な役割の1つと言えるでしょう。またそれぞれポジションのステークホルダーと日々関わることでその分当社になかった視点を知ることが出来、学びも非常に多いです。
私は経験も浅く、知識・能力もまだまだなのであらゆる局面で自分の実力不足を痛感する毎日です。事業投資のプロフェッショナルとなり、会社の業績に大きく貢献できる人材になるのが当面の目標です。
心に残る経験 責任重大な業務環境に身を置くことで
私はプロジェクトファイナンス部に異動してまだ日が浅いですが、とある入札案件で採算性及び顧客に提示するチャーター料を算出する業務を行いました。採算性を計算し、チャーター料を算出するには根拠のある前提条件を置き、会計・税務のルールと照らし合わせてモデルを作成する必要があります。具体的に考慮しなくてはいけない要素として主に以下です。
- 当社および各パートナーの採算性の目線
- 借入金の金額および想定金利
- Project国及びSPC設立国での会計上の扱い及び課税環境
- 顧客との契約上の特徴(顧客との業務所掌やPenaltyの有無)
- その他SPCの運営にあたって必要となる経費
上記の前提条件が間違っていたり最適化できていないと、会社の採算性に億円単位のインパクトを及ぼします。そのような非常に責任重大な業務を行うにあたって、当時の私は今以上に経験もなく理解が及んでいない点も多かったため、プレッシャーで押しつぶされそうでした。
最終的に上司や他の部署の方々のサポートのおかげで、なんとか数字を纏めることが出来ましたが、知識や能力をさらに身に着け経験を踏むことの大切さを痛感した場面でした。上記の通り、プロジェクトファイナンス部の業務は非常に責任重大で、プレッシャーもかなり大きいです。その反面、私自身非常に貴重な経験が出来ており、日々成長を実感できます。それこそがプロジェクトファイナンス部の魅力だと思います。
学生のみなさんへ
“Oil & Gasに深く携わりたい”と志して、MODECに新卒で入社して既に6年半以上経ちます。“MODECのビジネスは面白い”という学生時代に抱いた印象は全く変わりませんし、むしろ知れば知るほど面白いと日々感じています。
就職活動では“グローバル企業”、“若手の裁量”、“社内の風通しの良さ”といった聞こえのいい謳い文句が飛び交っており、入社するとどの企業でも多かれ少なかれ必ず入社前に抱いていたイメージとのギャップに悩まされることもあるでしょう。そういった社内の雰囲気や社風等は部署や事業所によっても変わりますので入社前に完全につかむのは難しいかと思います。
一方でその会社がどういう業界にいて、どういうビジネスモデルを持ち、どんな業務内容があるのかは、就職活動中でも調べれば調べるほど具体的なイメージをつかむことができます。そして、自分が本当にやりたいこと・興味のあることは何かを徹底的に自己分析し、どこの会社であればそれが実現できるのかを検証していく、そんな就職活動ができるといいのではないでしょうか。
MODECで皆さんと一緒に働ける日を楽しみにしております。